国家の品格 (新潮新書)を読んだ。
大雑把に言ってこの本は数学者が日本の情緒や武士道の精神が重要だということを書いている本だ。

この本の3分の1は賛成できる部分もあるが、3分の2は賛成できないというか、説得力に欠けていて読む気がしない。あまりにも決め付けて論じるところが多すぎて、その決め付ける根拠がまったく説明されていないというなんともお粗末な理論が多い。
例えば、人はなぜ人を殺してはいけないかという問いに対して「駄目だから駄目」で終わらせています。駄目だから駄目というのは、時々尊敬できない先生が僕に押し付けてくる何も考えていない時の理屈です。僕は、人を殺してはいけない理由も人それぞれだし、人を殺しても良い理由も人それどれだと思います。駄目だから駄目と言うのは何も考えないでいいから楽でいいですね。僕はもう少し考えながら生きていきたいと思います。
その延長線上で情緒とか武士道も論じられていて、情緒とか武士道はよいからよいということに決め付けられてしまっています。人によって情緒も武士道もとらえ方が違うだろうと思うですが。それに外国人に情緒や武士道が通じないというのも決め付けられていて、何でそこまで思考をシャットダウンできるのだろうと不思議に思いました。
ただ、この本の中で言っている日本人としての誇りを持ち、独自の価値観を育てるべきだという主張は大いに賛成できることだと思いました。説得力は無いけど基本的に面白い考え方を書いている部分もあるなあと思います。