大学の研究室に所属していると留学生がやってくる。
僕が以前に所属していた研究室にもフランスからポスドクの留学生がやってきた。
僕は大して英語は得意でもないが、僕自身留学したいと言う気持ちが強かったので英語の練習の為に下手な英語を駆使して積極的に話しかけていたものだ。
留学生もフランス人だから英語のネイティブでないので、フランス訛りの英語なのだが、英語でコミュニケーションをとるしか方法はない。
ある時、食べ物の話になった。
留学生が、
「フランス人はドッグを食べるのだが、日本人はドッグを食べないのか?」
と聞いてくるので「へ?ドッグ?」
いっしょにいた大学院生と僕はびっくりして、何度も聞き返したが「ドッグを食べる」という。
グルメの国フランス。カタツムリまで食べるのだから、犬くらい食ってもおかしくないのかもしれない。
僕たちは、
「韓国人は犬を食べると聞いたことがある。」とか
「赤い犬がおいしいらしい。」とかできる限りの犬食情報をフランスの留学生に伝えた。
そしたら、
「フランスにはドッグの缶詰がある。今度持ってくるから一緒に食べよう。」
と言い出すではないか。
「犬の缶詰ーーーー!うえっ!そんなものあるのか?」
正直食べたくない一品である。
しかも、犬の肝臓の缶詰らしい。
犬の肝臓が缶詰になっていると想像しただけでなんだか食欲がうせる。
しかし、フランスの留学生はおいしいと言い張り、どうしても今度持ってくるので一緒に食べようということになった。
後日、彼がありがた迷惑の犬の缶詰を持ってきてパーティーが始まった。
いったん犬の缶詰はお湯で温めてから開けるらしい。
そんなことしたらそうとう臭いがきつくなるんじゃないかと僕たちは恐る恐る見守っていた。
フランスパンに塗って食べるらしくフランスパンのスライスが大量に用意されている。
正直、フランスパンだけ食べたいなあと涙目になりながら待っていた。
ついに犬の缶詰が開けられた。
その缶きり臭くならないのか?心配していた。
缶詰の中身をみると、なんとそれは3大珍味の一つ「フォアグラ」だった。
僕たちがドッグの缶詰と聞き取っていたのは「ダックの缶詰」
そう、ダックの肝臓=フォアグラだったのだ。
しかし、缶詰を開けるまで気づかないとは。
恐るべし言葉の壁