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黒人の女性

7月 18th, 2009

今朝は曇り空だった。今すぐにでも雨が降ってきそうな天気。

そんな中、アパートの階段を下りていくと、エレベーターから黒人の女性が降りてきた。おしゃれな洋服と、すらりとしたスタイルは存在感がある。はっきりとした顔立ちの彼女は非常に魅力的な女性だった。僕が独身だったらこういう女性と知り合う機会もあったかもしれないなあと微かに思いが巡るが、おしゃれのかけらもない僕は、こんな格好ではそんな事はありえないかと思いそんな妄想を打ち消した。

僕達は同じバス停でバスを待ち、同じバスに乗った。

僕はいつものようにバスの中で本を読みふけり、黒人の女性は別のどこかの座席に座ったようだった。

目的のバス停についたので、座席から立ち上がろうと、通路に足を出した時に、誰かの持った傘の先が僕の足の甲にパチンと当たった。こんな珍しい事もあるものなんだなと思って、傘の持ち主を見ると先ほどの黒人女性だった。

彼女は「パードン」といって素敵な笑顔をした。

僕も無言で笑顔を返した。

バスから降りると空は晴れていて、彼女の持つ傘は必要なくなっていた。

僕は必要なくなった傘の先が僕の足に触れて音を立てたことがとても運命的なような気がして、ただそれだけの事でその女性に好感が持てたような気がした。でも、本当は彼女の笑顔が素敵なことや、おしゃれな服装をしている事、すらりとした存在感のあるスタイルとかそんなものをひっくるめて好感が持てているんだろうなあと感じた。そして、彼女は僕には何の好感も抱かないだろうということを感じてがっかりした気分になった。

もう少しおしゃれもしなきゃな。おしゃれをするのも楽しいかもしれないなと思いながら研究室への道を歩き始めた。