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大月町の海

2月 19th, 2010

水中眼鏡で海の中を見ると、透明すぎて海の底に落ちてしまいそうだった。

海底までは5mほどある。

高いところに立ったときの足のすくむような感じ。

力をできるだけ抜いてシュノーケルから入ってくる空気を吸った。

ゴーゴーと呼吸の音が耳元で鳴る。

浮き続けるため、バタバタと足を動かし続けなければいけないが、この場所にたどり着くまでのほうが大変だった。

浅い岩場では波に洗われて体のあちこちを岩にぶつけてしまうから。

ようやく深場に出てきたが、それ以上沖に出て行く勇気はない。

何しろ、波に流されたり、サメに襲われたりする恐怖を感じる。

何かあった時に、安全なところに帰れる距離でしか行動したくない。

子供の頃に観た「ジョーズ」という映画の怖さも思い出してしまう。

岩の陰から何か大きな生き物が出てくるんじゃないかとビクビクしながら波と波の間を漂う。

呼吸が整って来たら、何か獲物を見つけるために潜る。

一番のお目当てはこの辺りではガシラと呼ばれる根魚だ。

こいつを捕まえて今日の夕御飯を豪勢にしようというのが目的だ。

透明すぎる海の中ではモリを持った人間には多くの魚は近づかない。

近づいても平然としているのは毒をもったふぐとかゴンズイの類である。

大きな岩の陰にはミノカサゴがピンク色の衣装を身にまとって漂っている。

僕は食べれない生き物や綺麗すぎる生き物には手を出さず、おいしそうな生き物を求めて何度も潜る。