狭い山道を原チャで走っていたら、野良犬がいた。
いかにも野犬という感じで、げっそりとやせ、怖い雰囲気をかもし出していた。
うかつに近くを通って噛まれてはいけないのでクラクションを鳴らして威嚇した。
追いかけてきたらすぐに逃げれるように下りのほうにハンドルを向けている。
意外にも、その野良犬はおとなしく道の脇へ入って行った。
僕は犬との距離を十分に保ちながら山道を通過した。
すると、今度は幼い野良犬が下ってきた。
僕は、先ほどと同じようにクラクションで威嚇したが、逃げない。
様子を見ていると、先ほどの野良犬と同じ道の脇に入っていった。
あれは犬の親子だなと思いながら、僕は山道を原チャで登った。
帰り道、先ほどの野良犬の親子がが民家のほうまで降りてきていた。
僕は、野良犬の親子がどうするのか興味があったのでゆっくりとつけてみた。
母犬と子犬は100mほど距離をとりながら歩いている。
おそらく、人間に捕まった時にどちらかが助かるように考えて行動しているのだろう。
野良犬の親子は僕に追いつかれないように小走りで下って行った。
すると、道の先で大きな犬を連れたおばさんがいた。
おばさんの連れた犬が大きな声でほえている。
野良犬の親子はどこか道の脇にとっさに逃げたに違いない。
おばさんの連れたブルドックが僕にほえながら威嚇してくる。
おばさんはブルドックが僕に飛びつかないように鎖を一生懸命引っ張っているのだが、ブルドックが本気をだしたら余裕で僕に飛び掛ってこれるに違いない。
僕は内心ビクビクしながらおばさんとブルドックの横を通り抜ける。
その時、おばさんが
「あれ、おたくの犬?」
と聞いてきた。
んなわけないじゃんと思いつつも
「たぶん、野良犬だと思いますよ。」と標準語で返した。
おばさんはきっとああいった野良犬に襲われたりしないように、こんな大きな犬を飼っているんだろうなと思いながら、僕は原チャで山道を下り、国道に出た。