クロピンとサネイ

5月 15th, 2009 by MJさむらい Leave a reply »

それほど親しくなかった高校の同級生にクロピンとサネイがいます。

クロピンはすごく貧乏な家庭で、いつも小さすぎる汚い学ランを着ていました。向かい島に住む同級生はみんなフェリーで学校に通っているのに一人だけ尾道大橋を一時間も遠回りして自転車で通っていました。100円のフェリー代を親が払ってくれないからでした。クロピンはいつもくさい臭いがしていました。おなかの調子が悪いのか時々おならのくさい臭いが臭ってくるのです。当然みんなからは好かれることはなく、性格もおとなしくしゃべっているところをほとんど見たことがありません。だけれども勉強は得意で、怠け者の僕なんかよりはるかに成績が優秀で数学はいつも90点位取っていたと思います。彼が答案を返してもらう時にいい点数だった時にガッツポーズをして喜ぶ表情は今でも忘れられません。

そんなクロピンが昼食の時間に、弁当を食べずにうつむいています。それに気づいたサネイが声をかけていました。

サネイは貧乏な家庭ではないけれども、微妙に人と付き合うのが下手で、理由は分からないけれどもなんとなく男子からは嫌われている存在でした。

話を聞いていると、どうやらクロピンは弁当を持ってくるのを忘れてしまったらしいのです。クロピンは何も食べずに椅子に座ってうつむいていました。弁当を忘れたら学食に行って食べればいいのですが、クロピンはお金を持っていません。それに気づいたサネイがお金を貸してやるから食べてくればと声をかけていました。ところが、お金を借りても返せれないから。。とクロピンは断っています。

そうです。クロピンは親から一銭も小遣いをもらったことがないのです。だから、お金を借りても返すことができない。僕は相当気の毒で仕方がありませんでした。

僕とサネイは二人で数百円づつクロピンにあげる事にしました。二人で何とか説得してクロピンはようやくお金を受け取り学食に行きました。

僕はその時、そんなやさしいサネイの男気を見直しました。そして、サネイがなんでみんなから嫌われているのだろうと不思議に思いました。

今考えると僕の高校生活は能天気にも女の子にもてるためだけに生きていたような浅はかな高校生だったと思います。高校3年の時には自分の夢を追いかけるために受験勉強に没頭して他の事は何も考えませんでした。今考えるとそういう状況はとても豊かな環境だったのだと思います。クラブ活動や受験勉強の辛さなどたいした辛さじゃないなあと思います。僕がそれほど荒れた気持ちを持たずに生きていられるのもそういった恵まれた環境があったからじゃないかと思います。もっと感謝して、人間としてやれるだけの事はやらないといけないなあと今更ながらに思います。

クロピンは成績優秀だったけれども、家庭の事情で大学に行く事ができずに地元の小さな会社に就職したはずです。クロピンの事を考えるとなぜか申し訳ない気がしてしまいます。どこに原因があるのか分からないけれども、そういった悲しい家庭で育つ子供ができてしまうことを何とかしないといけないと思います。親が働いていなかったのでしょうか。借金を抱えていたのでしょうか。ギャンブルや酒で浪費していたのでしょうか。クロピンが心に抱えていた傷は途方もなく大きかったと思います。クロピンがまだどこかでガッツポーズをしている事を願います。

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2 comments

  1. misawa より:

    良いお話でした

    クロピン今は絶対にガッツポーズしていますよ!

    だって根性ありますよね!

    僕なら絶対に悪いことしたな・・

    リンク貼りました!

  2. matsujun1 より:

    こんな長い文章でも読んでくださるとはありがとうございます。

    そうです。クロピンは根性ありました。
    僕だったら簡単に折れているような状況でしたから。

    ガッツポーズしていることを願っています。

    リンクありがとうございます。
    こちらからもリンクはらさせていただきました。

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